琉球大学医学部精神病医学分野

指導者のメッセージ

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医局長

医学生、臨床専攻医の皆様こんにちは。
皆さんは医局と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか? ドラマのようなネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。

医局によってカラーは様々ですが、当医局は一言で例えると、「家族」です。それは、馴れ合いの関係という意味ではなく、各々の医局員がそれぞれを思いやり、時には厳しく、時には暖かく接し合うという関係です。最終的には主人である近藤教授が「医局員を守ってくれる」、そんな安心感があるからこそ、医局員は積極的に仕事(研修)に励むことができます。また、医局秘書が母親のように医局員の成長を暖かく見守ってくれます。ですので、「安心して」入局して欲しいと思います。

 では、これから専攻医を希望される皆さんに期待することをお伝えしたいと思います。
第一に、「患者・家族の苦悩を知り、専門的立場から治療ができるようになること」です。至極当然のことのように聞こえますが、私たち精神科医の出発点であり、また最終的なゴールでもあります。生涯をかけて身につけていくべき奥深いテーマです。(精神科医になればわかります。)
第二に、「積極的な研修」です。難しい症例でも果敢にチャレンジして行って下さい。それが皆さんの精神科医の血となり肉となります。そして、私たち先輩医師がそれをバックアップします。
第三に、「リサーチ・マインド」です。近年、精神医学もよりエビデンスが求められるようになってきています。教科書から最新論文へとステップアップしてもらいたいと思います。

 決して楽な研修ではありませんが、信頼される精神科医になれるよう全力で支援します。皆さんの入局をお待ちしております。

座間味優
琉球大学病院→天久台病院→琉球大学病院

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病棟医長

 こんにちは。精神科で病棟医長をしている嵩原駿平と申します。
 私たちの病棟では大学病院の特色として児童から認知症まで幅広い症例の治療を行っており、他の病院だと経験しにくい症例も豊富に経験できます。また大学病院だけでなく地域の精神科病院での研修も行うプログラムですので、大学で経験できなかった事は外で経験するという盤石の構えです。世知辛い話だと精神科医に重要な資格(専門医や指定医)を取ろうとすると「経験しなくてはいけない疾患」があるのですが、当科の制度で研修するといつの間にか要件を満たしています。

 指導体制については、病棟では小グループ制を敷いており、常に上級医と確認しながら診療を行うことができます。勉強会・カンファレンスも密に開催しておりますので、精神科医になったばかりで右も左もわからない時期から、知識と経験が揃い一人前になるまで、しっかりとサポートを受けることができます。
もちろん仕事なので大変な事もありますが、気さくな上級医や心優しい看護師さんに愚痴ることもできますのでご安心ください。皆様と病棟で一緒に働ける日を楽しみにしています!

嵩原駿平
琉大病院→宮里病院→琉大病院

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病棟師長

こんにちは、精神科病棟の看護師長をしている大城真須美です。
私自身精神科に務めるのは2度目で合わせると12年目になります。
当科では、患者さんのために、カンファレンスで医師の治療方針と看護師のケアや関りを含め話し合いをするのですが、意見の衝突が生じることがあります。お互いが患者さんの為に、それぞれの意見をぶつけるのですが、結果的に患者さんは良い方向へと導かれていきます。そんなやり取りを私自身の目から見ると、とても微笑ましく頼もしく感じるものです。経験のある医師や看護師が、職種関係なく若い先生方や看護スタッフを指導してくださる姿にも、居心地がいい場所だと感じさせるほどです。

琉大病院ならではの、電気痙攣療法や精神疾患を有した身体合併症の患者さんや年齢層が10才代から90才代と幅広く患者さんと関われることも魅力と感じています。

大城真須美

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児童思春期グループ

【精神科における、児童思春期分野の重要性】
精神科疾患において、早期介入の重要性は大変重要なことであり、児童思春期を支えることで、その後の予後に大きく関わります。

【当院での児童思春期グループの診療内容】
幼児から中学生までを対象にしており、発達障害とその二次障害、不登校、自傷行為、被虐待、心因性非てんかん性発作、摂食障害、睡眠障害、気分障害、精神病性障害などの患者様が来られます。診療自体は、外来・入院とも、全ての精神科医が対応しており、外来日には3名の心理師も対応しています。専門グループは教育と診療のブラッシュアップを行っています。

【専攻医がどのようなことを学べるか】
昨今はどの精神科でも児童思春期の診療を求められますが、苦手意識を持ちながら対応されることが多いようです。当科で経験を積むことは、精神科医人生にとって大きな強みになります。児童思春期の診療では、家族や学校との関係性が治療対象になり、本人の精神療法はもちろん、家族療法、環境調整について、数多くのことを学ぶことができます。経験を積めば、児童心理治療施設や児童相談所で診療応援を行うことが可能です。日本児童精神神経科学会認定医、子どものこころ専門医の取得もできます。

石橋孝勇
那覇市立病院小児科→琉球大学病院→国立琉球病院→琉球大学病院

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てんかん診療グループ

【精神科における、てんかん分野の重要性】
てんかんは古くは三大精神病の一つに数えられ、精神科がその臨床の中心を担った歴史があります。その一方で、近年では多くの若手医師が苦手と感じているのではないでしょうか。脳波の読み方を教えてくれる指導医が減ったことも一因かもしれません。
しかしその有病率の高さからもわかるように、実際に精神科臨床を行ってみるとてんかんは避けては通れない分野です。てんかんに伴う精神病状態や気分症状への対応、心因性非てんかん性発作の鑑別、ものわすれ外来に現れる高齢発症てんかんの鑑別、適切な社会資源活用のための機能評価など、あげるときりがありませんが、これらは精神科医が行わなければならず、かつ他の診療科より精神科医のほうが上手に対応できる問題です。

【当院でのてんかん診療グループの診療内容】
てんかん臨床の中心を担っていますが、グループといっても閉鎖的なわけではなく、気軽に周囲を巻き込んで診療を行っています。児童思春期、認知症、睡眠のそれぞれのグループとも病態として関連するケースは多いですので、密に連携しております。
隔週の脳波勉強会を含め、診療科内での教育体制も整備しています。

【専攻医がどのようなことを学べるか。】
医学生や初期専攻医時代、たまに脳波を見てもチンプンカンプンでしたよね。
てんかん臨床と脳波判読を、本当に初歩的なところから勉強できます。まずは精神科医師として困らない程度の習熟を目指します。
てんかんと脳波を学ぶことは精神科臨床全体の底上げになりますし、多くの医師が苦手としている分野なので、貴重な武器になりますよ。

嵩原駿平
琉球大学病院→宮里病院→愛知医科大学→琉球大学病院

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認知症疾患グループ

令和3年4月から琉球大学病院の認知症疾患医療センターの一員として働かせていただいております。医師としては8年目、琉球大学精神科神経科医局で働かせていただいて6年目になります。

我が国が超高齢社会となり、さらに高齢者率が年々増加していく状況にありますが、社会全体で認知症の方が良い環境、自分らしく暮らしていけるよう、社会的支援体制も整備されてきております。その中で認知症疾患医療センターは認知症の診断、行動・心理症状(BPSD)や身体合併症への対応、専門医療相談などの活動を行い、地域の中で認知症の方やそのご家族に適切な専門医療を提供する役割を担っております。

専攻医志望者の方には、大学病院として専門的な指導体制や高度な機器による検査が行える体制があり、研鑽し経験を積んでいくのに理想的な環境です。日本認知症学会の教育施設にも認定されていますので、日本認知症学会の専門医の取得も可能です。専任の心理士による心理検査も充実しております。一緒に勉強していく方々がいらっしゃるのを楽しみにお待ちしております。

新里 輔鷹
琉球大学

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睡眠専門グループ

(Ⅰ)精神科における睡眠分野の重要性
■睡眠障害は「何科」になるのか?
睡眠障害の中で最も多いのが不眠症です。そのため一昔前までは主に「精神科」が診療の中心的役割を担っていました。しかし現在は各科が連携する「総合医療」であると言えます。例えば睡眠時無呼吸症の中でも難治例の中枢性無呼吸では睡眠呼吸生理に精通した呼吸器内科系の睡眠専門医の役割が不可欠です。また扁桃肥大が閉塞性無呼吸の原因となっている場合は耳鼻科での扁桃摘出術も必要となり、無呼吸用のマウスピースは睡眠専門の歯科医が作成します。一方で睡眠臨床の現場では精神科系の睡眠専門医の役割も依然として欠かせないのも事実です。特に有病率の高い不眠症や睡眠リズム障害の治療では睡眠薬などの向精神薬を用いた臨床精神薬理の知識だけではなく、心理的アプローチも重要となるからです。

■睡眠医学と精神医学の融合
WHOの最新の国際疾病分類(ICD-11)の大改定で「睡眠障害」は「精神障害」から独立した重要な分野として位置づけられています。しかし睡眠医学と精神医学は切り離せない繋がりがあります。気分障害や統合失調症など様々な精神疾患では二次的に不眠症を生じます。不眠症状を放置すると原疾患である精神疾患が悪化するため十分な不眠症治療が必要です。一方で不眠症の存在が将来のうつ病発症リスクとなることも明らかになってきました。また不眠症を含めた様々な睡眠障害は精神疾患だけではなく、高血圧や糖尿病など心血管系病変や代謝系疾患のリスク因子となることもわかってきました。近年の研究では睡眠障害の存在が将来の認知症発症リスクとなる可能性も示唆されています。当科(精神科神経科)では基幹型認知症疾患センターの診療も行っていますが、高齢者は様々な睡眠障害を合併しやすく、精神医学と睡眠医学が一体となった包括歴な対応が求められています。

( Ⅱ )当院での睡眠専門グループの診療内容
当科では睡眠専門外来で睡眠専門医(担当医師:普天間国博)が、睡眠障害を幅広く診療しています。「不眠症」や「睡眠リズム障害」だけではなく、ナルコレプシー、レストレスレッグス症候群、レム睡眠行動障害、睡眠時遊行症などの特異的な睡眠障害についても専門的な診療を行っています。睡眠時無呼吸症は連携する嬉野が丘サマリヤ人病院で検査(ポリソムノグラフィー)や治療(CPAP)を行っています。

( Ⅲ )専攻医がどのようなことを学べるか。当院での睡眠専門グループの診療内容
睡眠専門医(担当講師:普天間国博)が毎月のテーマに沿った講義を行い、1年を通して睡眠障害全般の知識の習得を目指します。また睡眠外来の陪席で実臨床の経験も積むこともできます。特に以下に述べる技術は精神科系の睡眠専門医の腕の見せ所でもあり、実臨床の現場でも有用なものとなります。

■睡眠薬を減らす技術
睡眠薬は医師免許さえあれば誰でも処方できます。同様に処方を増やすことも簡単です。しかし睡眠薬は減らすのが難しい薬剤です。睡眠薬の減量が難しい理由は主に2点あります。一つは不眠症が慢性化しやすい疾患であること。もう一点は睡眠薬を減らすには医療者側の技術や知識も必要とされる点です。具体的に必要な技術とは心理的アプローチである(1)「不眠の認知行動療法」の技術と(2)睡眠薬以外の代替薬物療法を用いた臨床精神薬理に関する知識です。特に当科では厚労省科研による「睡眠薬減薬のための研修プログラムの開発」(研究代表者:高江洲義和、公募番号:21GC0801)も行っており、睡眠薬の適正処方と減薬に関する技術を学ぶことができます。

■朝起きる技術(リズム障害の治療技術)
夜型のライフスタイルを背景に睡眠相が後退したまま固定化してしまうとリズム障害である睡眠・覚醒相後退障害(Delayed Sleep-Wake Phase Disorder:DSWPD)を生じ、午前中に起床できなくなるため社会生活に重大な支障をきたします。DSWPDは思春期から青年期にかけて好発し、重要な発育過程におけるDSWPDは本人の将来性を損ねるだけでなく少子化の進行する日本の社会的損失にもつながります。DSWPDの治療は睡眠生理メカニズムにもとづいたリズム指導を行いますが、重症例ではメラトニン位相反応に基づいた薬物療法や心理的アプローチも必要となるため、精神科系の睡眠専門医が治療の中心的役割を担っています。特に当科では文科省の科学研究費助成事業で「DSWPD予防のための教育プログラムの開発」(研究代表者:普天間国博、課題番号:21K13703)を行っており専門的な治療技術を学ぶことができます。

普天間国博

普天間国博
東京医科大学病院→サマリヤ人病院→琉球大学病院

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リエゾン診療グループ

1.当院でのリエゾン診療内容
精神科以外の診療科(内科、外科、産婦人科などあらゆる診療科)に入院中の患者の精神症状に対しての診療をしています。不眠、不安、抑うつ、せん妄などに対して主に主治医からの依頼を受けて診察を行います。専攻医も患者を受け持ちますが週に2回の回診とカンファレンスを実施しているため、しっかりとフィードバックを受けながら診療にあたることができます。看護師と精神保健福祉士が同席しており多職種で患者さんに関わっています。患者や家族だけでなく他科の医師や病棟のスタッフから感謝されることも多くやりがいを感じられます。

2.専攻医がどのようなことを学べるか。
当院で1年程度研修すれば、リエゾンについては一人でも自信をもってできるようになります。そういう点からも専攻医の期間に総合病院で研修することは重要と思います。精神科専門医取得のためには、リエゾンまたは身体合併症の症例のレポートの提出が必要となっています。単科の精神科病院では集まりくく苦労することも多いようですが、当科ではこれらの症例も豊富です。

伊佐賢悟
琉球大学病院→沖縄中央病院→琉球大学病院

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入局に関するお問い合わせ

〒903-0215
沖縄県西原町上原207 琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座内  入局案内担当係宛
E-mail:ryukyupsychiatry@gmail.com

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